飲むように食べる、あっさりとしたスペアリブ入りのスープ、王記排骨酥湯。

こんな辺鄙で汚い場所にこれほどのスープがあるなんて。台湾の食文化の奥の深さに驚きを隠せません。看板メニューのスープと一緒にたべるのがこれまた高レベルのルーローファン。お店が汚いという理由でこちらでお食事をしないのはもったいないと断言できます。


評価

  • 味 8点
  • 予算 75台湾ドル/人
  • サービス 悪い
  • 客層 現役世代

どんなレストラン?

お店の外観

最寄りの地下鉄古亭駅から少し距離があり観光客のかたにはすこし行きにくい場所にあります。

写真でもわかるとおりお店はかなり古く汚いので万人におススメはしませんが、味は抜群ですので勇気をだしておこしくださいw

ご飯時になるとお店が狭いこともあり行列ができることも珍しくありません。

並ぶのがいやなかたは、予約などはできませんから時間帯をずらしてお越しください。


店内の様子

店内はとても狭く15席ぐらいしかありません。

また衛生状況もいいとはいえず個人で抗菌ウエットティッシュなどをご準備されることをお勧めします。

お店で人が並んでいるときはまずその列の最後尾にお並びください。

座席は注文が済んだらお店のかたが指示してくれます。

その時のやりとりは中国語のみになっていますからやはりコミュニケーションに自信がない方は混雑時を避けたほうが無難だと思います。



お店の調理場に準備しているスープのお椀の数が多いことに驚きます。

こちらにお椀には全て看板メニューの排骨酥(豚肉のスペアリブを揚げたもの)が入っています。

これを大型の蒸し器にいれて蒸しあげていきます。



店先には大型の蒸し器が並んでいます。

こちらのレストランでの調理方法は蒸すのみですので、これが調理器具の全てです。

中国では蒸籠をつかった料理が多いのは日本のかたにも有名で写真とかでその光景を見たことがあると思いますが、そのほかにもこういった蒸し料理専門のレストランがけっこうあります。

そういえば日本料理にも蒸すという調理法はありますが、中国や台湾と比べるとその種類は圧倒的にすくないといえます。

蒸すことによって茹で物のように湯に水溶性の栄養素が溶け出さないこと、または炒め物のように油を必要とせず低カロリーですむことから、蒸し加熱による調理は健康面のことを考慮してもかなり効果的な方法だといえます。

蒸すことによってエネルギーの節約になりまた栄養学的にもすぐれ、そしておいしくできるのならこんな素晴らしい方法はありませんよね。


メニュー

メニュー

メニューはシンプルです。

基本豚のスペアリブのスープをたのんでプラスアルファでご飯ものをたのむ人が体勢をしめています。

注文方法は口頭のみです。

時間帯によっては列ができますので、まず先に座るのではなくその列にならんでください。

人が減り順番がまわってくると店主が何にするか聞いてきますのでそこで注文をしてください。

そのあと店内の座席があいたらそこに座るよう指示されるのでそれに従ってください。

外国人のかたはまったく見ませんのでお店が慣れていないこと、また店主は職人気質の人で愛想などはまったくありませんので、もしかしたら不愉快になるひともいるかとは思います。

つまらないトラブルを避けるためにも、確実に注文するにはやはりメモ用紙などを用意していて、順番がまわってきたら直接店主にみせるのが一番いいと思います。


テーブル周り

テーブル周りは甘辛い調味料とラー油。胡椒が置いてあります。

もちろん個人の自由なのですが、甘辛い調味料は基本的にはおこわを注文した人がつけるものです。


お料理


注文は一品だけでもいいのですが、周りを見ていても基本スペアリブのスープとご飯系のものを組み合わせるかたが圧倒的に多いです。

そのためお店のほうもその二つが綺麗にはいるお盆にいれて持ってきてくれます。


筒仔米糕(35元)

いわゆるおこわです。

上にのっているのは魚のでんぶです。

まずこちらのおこわはお肉がまったく入っていません。

ですがおそらくもち米を炊き上げるときに使う出汁のなかにお肉がはいっているためそれを感じさせず濃厚な味わいを楽しめます。

炊き上げ方も米粒一つ一つがたっているのがわかり店主の熟練の技を感じます。


香菇排骨酥湯(45元)

油で揚げた豚肉のスペアリブとしいたけが入ったスープ。

台湾では定番のお料理で、ルーローファンがあるレストランにはだいたい置いてあるイメージです。

中の具は揚げられたスペアリブと干ししいたけ、そして仕上げにのせられたパクチーのみです。



まずなによりこちらのスープの完成度はすごいです。

しっかりとした豚のうまみを基本にスープがつくられていて、雑味、臭みなどはまったくありません。

味付けも醤油と胡椒、プラスアルファといったところでこちらもシンプルさを楽しめます。

八角等の中華調味料も入っていませんのでそれらが苦手な方でも問題ないと思います。

このあっさりとしたスープに合わせるのが油で揚げられたスペアリブですが、揚げられているのにあっさりさが感じられ、スープと一緒にたべるとその完成度はさらに高まります。

これほどのスープがこんなところで飲めるなんてと正直びっくりしました。

間違いなくおススメです。


冬瓜排骨酥湯(45元)

先ほどのお料理のしいたけのかわりに冬瓜が入ったスープ。

基本的に味はしいたけのものと同じです。


魯肉飯(30元)

こちらは別のスープといっしょにたのんだルーローファンです。

このルーローファンも完成度が高くびっくりしました。

写真で見てもらえばわかると思いますが、まずお肉がしっかりと形を残しまた量もたくさん入っているのがわかると思います。

そのお肉は脂身赤身のバランスがよく食べていて脂っぽさを感じることなく、最後まで飽きずにたべられました。

そして肝心の味付けも、私が本当においしいルーローファンを評するときによく使う、おいしいすき焼きの出汁の味がこちらもしっかりと出ています。

八角等のにおいもまったくせずこれだけを食べに来るのもありかもしれないと思うほどです。


まとめ

これだけの味がこんな場所でたべられるとは正直おどろいた今回のレストラン。

立地条件もいいとはいえないし、なによりお食事スペースがきたないので全ての読者のかたにおすすめとはいえませんが、逆にいえばそこさえクリアできれば幸せなひと時が訪れること間違いありません。

個人的にはまった組み合わせは、スープとルーローファンですので皆様も是非この二つを注文してみてくださいね。



ごちそうさまでした。


王記排骨酥湯お店情報

営業時間
12:00-23:00

定休日
日曜日

最寄のMRT駅
古亭 G09 O05
台北地下鉄路線図

アクセス
MRT古亭駅9番出口から徒歩9分

住所
台北市中正區汀州路二段81號