みなさんが台湾にこられたら必ず食べてほしいものの一つが薬膳料理です。今回はその中でもまだあっさりとした味わいで食べられる四神湯が看板メニューでおいしいお店をご紹介します。四神湯とはなんぞやという読者の疑問にもしっかりとお答えします。
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評価
- 味 7点
- 予算 110台湾ドル/人
- サービス 普通
- 客層 現役世代
四神湯とは?
四神湯とは、中国の民間伝統の薬膳スープです。
もともとの名前は四臣湯といい、芡實、蓮子、淮山、茯苓という四種類の生薬と豚の腸を一緒に煮込んだ料理です。
効能は、肺を健康にしてくれたり、体質を整え食欲不振を改善したり、免疫力を高めアレルギーを改善することなどが挙げられます。
四神湯の由来
ではなぜ四神湯という名前になったかについて説明をします。
時は1700年代後半、清の時代までさかのぼります。
当時の皇帝は清朝第六代の乾隆という人物でした。
彼は89歳まで生き、皇帝のなかで一番長生きしたとして有名であり、当時清がもっとも勃興していた時代の皇帝です。
ある日彼は自国の民情を知るため都をでて南部に視察に出かけます。
幾千の山や川を越えついに南部にたどり着くのですが、同行した四人の大臣は道中皇帝のお体を心配して、日夜休むことなく彼の世話をし、また時には肉体労働も厭わず献身的に努めたため、ついに倒れこんでしまいました。
それを知った乾隆帝は、大臣たちの労に報いるためその土地で有名な医師を探しだし大臣たちの看病することを命じます。
その土地で高名な漢方医が作った処方箋は直ちに煎じられ漢方薬となり、四人の大臣たちに服用させたのです。
それを飲むやいなや大臣たちはすぐに健康を取り戻し、吉報をしった皇帝も喜び安堵しました。
この漢方医が作った処方箋こそが、四臣湯です。
そしてその効能のすばらしさに、四臣湯はまたたくまに世に広まり、民間の薬膳スープとして定着していくのです。
そしてこの臣の字が発音が似ているということで神の字に変わり今に至るということです。
四神湯の材料を見る
本来四神湯の材料に必ず使われているのが、芡實、蓮子、淮山、茯苓という四つの生薬です。
芡實とはオニバス(鬼蓮)の成熟した果実の外果皮を除いて乾燥した種子のことを指します。
台湾では芡實に代わり薏仁(ハトムギ)を使うのが一般的で私もいままで食べた四神湯は全て薏仁が使われていました。
蓮子とは文字通り蓮の実のことで、台湾でも一般的によく使われている食材の一つです。
デザートにも使われることがあり、もしかしたら皆さんも一度はお目にしたことがあるかもしれませんね。
淮山とは長芋のことでこれは説明不要ですよね。
茯苓とは日本語でマツホドといい、サルノコシカケ科の菌類の一種です。
もちろん食べたことも見たこともありませんのでよくわかりませんが、台湾で食べる四神湯の中に入っているのを見たことはありません。
そしてこれら四つの生薬を煮込んで作ったスープに豚モツをいれて煮込んだ料理が本来の四神湯なのです。
ところがもうすでに書きましたが現在台湾で認知されている四神湯は、これら四つの材料の内二つを使っていません。
四つとも全部使っていないところもあるぐらいで、どれだけこのお料理がアレンジされて進化しているのかがわかります。
まあようするに本来の四神湯は、漢方薬としての側面が大きくお料理としてはあまり美味しくないのでしょう。
それが時代とともにまた人から人へと渡る過程において変化し今の形になったのです。
これが四神湯の概要です。
台湾では比較的人気のある薬膳スープですので皆さん一度お試しください。
それでは次からいつもの食レポに戻ります。
どんなレストラン?
すごく狭い食事スペースです。
二階にも席がありますがそれでもやはりお客さんの人気と比べて狭いと思います。
メニューの性質からゆっくり食べるものでもありませんから回転は早いです。
小道を挟んですぐのところにも飛び地のお食事スペースがあります。
店先で湯気を出しながらつくっているのが四神湯です。
真夏でもぐつぐつに煮えたスープが大量の湯気を出しながら煮込まれています。
日本的な感覚でいえば真夏に食べるあつあつのラーメンという感じなのでしょうか。。
メニュー
メニューはこの六つだけです。
よく見ると日本語の表記もあります。
記入用紙はありませんので口頭もしくは指差しで注文してください。
お会計は先払いになっています。
四神湯
こちらの四神湯の具は、豚モツとハトムギのみになっています。
量はけっこう多くて、このスープとちまきを食べたらお腹はいっぱいになると思います。
周りを見てもほとんどがこの二つを注文していました。
私はこの前に夜ご飯を食べていましたので、肉まんにしました。
(それでももうおなかいっぱいで苦しかったです。。)
さてこちらの四神湯、本当に飲みやすいです。
悪く言えばこれは四神湯ではなく別の料理といえなくもないのですが、すっきりとした塩味の出汁がここちよく、昼間に汗とともにでていった塩分を体が欲するがごとくすぐに飲み干してしまえるほどの味つけになっています。
そして肝心なのはこれにつける調味料こそがこの料理を完成させる最終兵器なのです。
この写真中央の透明の液体こそが四神湯の最終兵器です。
これ実はアルコールを飛ばしたお酒が入った調味料なんです。
これを四神湯に入れると、先ほどの薄味の四神湯がうそのように引き締まり俄然喉に通りやすくなります。
しかしながらなぜか漢方っぽい味も強まるため調整は必要です。
少しいれてもし大丈夫なら多めに入れて先ほどのスープを飲んでみてください。
注文していないのですが美味しそうだったので一枚写しました。
もしかしたらこのお店は調味料がおいしいお店なのかもしれませんね。
そしてこれが写真枚数稼ぎにたのんだ肉まんです。
割って中を見せるまでもなく普通の豚肉入りの肉まんです。
味は普通で、皮もぼそぼそとしていてあまりオススメできません。
まとめ
今回も新しいお料理が出てきたので詳しく解説しました。
四神湯は場所によっては漢方よりの味つけになっていて以前の私はあまり好きではありませんでしたが、このお店のように漢方からかなり離れた味つけのものは好んで食べます。
ただ食べてみないと漢方系の味つけかどうかわからないのが難点ですが、個人的には四神湯は観光客のかたに挑戦してほしいお料理の一つです。
漢方に苦手意識があるかたもこちらのお店の四神湯はお酒の調味料を入れる前は普通のおいしいスープですので、最初に食べるお店としては最適かもしれません。
ごちそうさまでした。
阿桐阿寶四神湯お店情報
営業時間 11:00-05:00 定休日 無休 最寄のMRT駅 雙連 R12 台北地下鉄路線図 アクセス MRT雙連駅2番出口から徒歩5分 住所 台北市大同區民生西路151,153號(すぐ近くにも同じお店があるため住所が二つあります)