香港からやってきたどこかなつかしい本場の大衆グルメをお楽しみください、萬芳冰室。

今回の台湾飯は本場香港からやってきた本格的な「冰室」レストランをご紹介します。実を言うと経験上個人的にあまりいいイメージがなかった台北の冰室レストランですがこちらのお店はそのイメージを見事に覆してくれました。B級グルメ感満載ですが意外にもしっかりと食べられるお料理の数々をみなさんも是非一度お試しください。


評価

  • 味 7点
  • 予算 300台湾ドル/人
  • サービス 普通
  • 客層 若者

どんなレストラン?

お店の外観

エメラルドブルーの色合いが目に優しいおしゃれな外観をしたお店です。

本店は香港にあり2021年現在三店舗あります。

ただ香港市内からはかなり距離がありためわざわざこちらのレストランまで食べに行く観光客のかたは少ないのではないでしょうか。

今回ご紹介しているお店の最寄りの地下鉄の駅は「南京三民」で近くには台北における「西松屋」さんや「赤ちゃん本舗」さんにあたるお店が二店舗ありますので、台湾の赤ちゃん用品に興味がある方はお食事後にでもお店をのぞいてみてください。


少し脱線しますが冰室について軽く解説します。

香港によく行かれる方はご存じだと思いますが、香港では最近数は減っていますが割と見かける店名に冰室と書かれたレストランがあります。

もともとはイギリス人によって香港のカフェとしてスタートした冰室ですが冷たいものを食べるのを嫌う香港人にはなかなか受け入れられず苦戦したようです。

とはいっても夏はうだるように熱い香港ですからそれらは徐々に受け入れらていき、また人気の上昇にともなってメニューもこれまでの冷たい飲み物からトーストやサンドイッチなど西洋風の軽食を出すようになります。

当時の物価と比べて西洋式食事は値段が高いのにもかかわらず香港人にとってのたまにの贅沢として広く受け入れられ、1950、60年代になるとその人気は不動のものになっていきまたメニューの数も増えていきました。

ただ高度経済成長期を迎える1970年ごろには各家庭に冷蔵庫が普及しだし冰室は衰退します。

その後は冰室を基本としたより本格的な食べ物を提供するレストラン通称「茶餐廳」として生まれ変わり今に至ります。

これが香港における冰室の簡単な歴史です。

BBC NEWSを参考にまとめましたのでより詳しく知りたい方は中国語のみとなりますがそちらをお読みください。


店内の様子

昔の感じをあえて残した作りの店内は一見趣がありますが、細部をよく見るとあまり衛生状態はいいとはいえないです。

汚いとはいいませんが肌で油のじめじめさを感じます。

店内は広くテーブルの種類も多いため少人数から大人数でもお食事が楽しめるのはありがたいですね。


調理場はオープンになっていて店員さんが忙しそうに動いているのが見えます。


なんかこの感じが香港っぽいですよね。

ちなみに香港は台湾と同じでつかう漢字は繁体字(旧漢字)を使っていてポスターでもそれが確認できます。


なんかよくわからない香港の飲み物がおいてあります。

おそらく香港人にとっては昔ながらの懐かしいものだと思いますが、見慣れていない私からしたらどうしても怪しい感じがしてしまいますw


メニュー

メニューは定番のものとたくさんの新商品を紹介したものがあります。

日本のかたにとって注目すべきポイントは公仔麺です。

これ実は麺に出前一丁(もしくは香港製のインスタントラーメン)をつかっているお料理でなおかつ焼きそばなんですww

長くなりますのでこれについての解説はしませんが、知らずに注文するとびっくりすると思いますのであらかじめ伝えておきます。

また香港ではサンドウィッチは三文治で台湾では三明治と表記しますのでお間違いないようご注意ください。

注文方法は店員さんによる聞き取り方式でお会計は最後になります。


テーブル周りは必要最低限の調味料が置いているだけです。

やはり香港式洋食店なのでお箸ではなくフォークとスプーンを使うのが面白いですよね。。


お料理

蛋花大菜糕(60元)

お店のイベントで打卡(フェイスブックでいいねを押すこと)していただいたデザートです。

少しあまく味付けされたシロップに卵の白身を入れゼラチンで固めたものです。

これはいただき物ですが正直おいしいとは思えませんでした。。

まずゼラチンが固すぎてスプーンですくうとき力がいるだけではなく小さく切り取ったと思っても周りがごそっとついてきて食べるときに邪魔になります。

味付け自体は薄い甘さで悪くなくまた卵の白身があっさりとしたコクを全体にもたらしていて面白い味に仕上がっています。

また少し脱線しますが、個人的な感想になりますが、台北のレストランでグーグルマップに星5をつけると何かがただになるイベントをしているお店はかなりの確率でがっかりすることが多いです。

実際それらの多くのお店でせっかく写真をとったのに結果的に没になったことも少なくありません。

今ではあまりにも評価が高いお店、五点満点に近いようなお店でお客さんの入りがよくないお店に行くときはあらかじめネット検索して判断するようになりました。

そういうお店はコメント欄で多くのかたが簡単な感想、鑽鑽(いいね)とか很棒(すごいよ)とかしか書かれていないのでここからでも予想はできます。

今回のレストランもそうですが、フェイスブックでいいねを押させるイベントをしているお店に関してはそこまで悪い印象はありません。


生煎豬扒(140元)

味付けした豚肉を鉄板で焼いて玉ねぎ等の野菜と一緒にいただくサンドウィッチです。

お肉の厚さは少し大きめの豚の生姜焼きぐらいあり食べ応えもしっかりあります。

そして何よりうれしいのが香港のB級グルメ感を思いっきり味わうことができることです。

これをみなさんにわかりやすくお伝えするのはなかなか難しいのですが、あえていうならみなさんが子供の時に食べてそのおいしさに感動した何かのソースをそのままつけて食べているような感覚になる味付けです。

もちろんB級感満載ですが私にとってはかなり満足度の高いお料理でした。


生炸招牌雞髀太陽蛋飯(210元)

鶏のから揚げ、目玉焼き、先ほどと同じようなどこかなつかしい味がするソースがかかった白飯(インディカ米)、申し訳程度の野菜、これぞまさにがっつり食べるのに申し分ないラインナップのお料理です。

鶏はカラッと揚げられていて揚げ油も新しいものをつかっているため酸化した味はしません。

鶏に味はついていますがおそらく塩コショウプラスアルファのみというシンプルなものなのでこれだけでご飯を食べるのは難しいかもしれません。

ご飯のソースは先ほどのお肉にかかっているものとは少し違っていてさらりとしたどちらかといえばウスターソースみたいな少し甘みのある味付けでご飯との相性はかなりいいです。

こちらも香港のB級グルメ感満載の一品ですが一つ一つ丁寧に作られているのがわかり先ほどのサンドウィッチよりお料理感が出ていると思います。


まとめ

今回の台湾飯はB級グルメの総本山香港にあるレストランの台北支店をご紹介しました。

B級グルメ感満載ですが食べたらどこかなつかしい味でしっかりとポイントを押さえたプロの技を随所に感じることができる素晴らしいお料理がいただけるレストランだと思います。

もちろん賛否両論はあると思いますが、たまに駄菓子的なものが無性に食べたくなるような方は一度こちらでお食事をしてみてください。

はまりすぎにはご注意くださいね。


ごちそうさまでした。


お店情報

営業時間
11:00-20:30

定休日
無休

最寄りのMRT駅
南京三民 G18
台北地下鉄路線図

アクセス
MRT南京三民駅二番出口から徒歩5分

住所
台北市松山區南京東路五段66巷16號