スープもさることながら麺そのものがおそろしくおいしい創業70年の老舗名店、老麺店。

台湾飯ではいままで様々なおいしい麺料理をご紹介してきましたが、そのどれもがおいしさの理由はスープにありました。ところが今回のお店は麺そのものがおそろしくおいしいんです。日本統治時代に生まれたおじいちゃんが作り出す奇跡の麺料理を皆さんもぜひ一度食べにいらしてください。


評価

  • 味 8点
  • 予算 35台湾ドル/人
  • サービス 普通
  • 客層 全世代

どんなレストラン?

お店の外観

お店の住所に迪化街とありますが、日本の方に問屋街として有名な迪化街はまったく別の方角にありまたそこから距離もあるため実際には迪化街とは関係ない場所にあります。

立地もいいとはいいがたく、住宅街のなかにポツンとあるため観光客のかたには少しハードルが高いかもしれません。

ただ近くには個人的に好きな夜市の一つである延三夜市があるため夕方からこの一帯で食べ歩きをすれば楽しいいい旅の思い出になることまちがいなしです。

最寄りの駅は「圓山」ですが、先ほどもいいましたが食べ歩きをするならこちらのお店で麺料理を食べた後、延三夜市を通り抜けて「大橋頭」駅から地下鉄にのるのもいいかもしれません。

ちなみに私はこの日車で移動していたのですが、こちらで麺料理を堪能した後デザートを食べに歩いて延三夜市の人気有名店「祥記純糖麻糬」にいきおなか一杯になるまで楽しみました。

こちらのお店もいずれ台湾飯でご紹介しますね。



台湾ではよくありがちな屋台で使う移動式調理台を店先に出して営業しています。

開業当時は店舗などはなく屋台を引っ張って商売をしていたみたいです。

お店はアットホームまるだしの人懐っこい店員さんに囲まれたこころあたたまる空間で、私が日本人だとわかると積極的に声をかけていただきました。

その中でも不思議だったのが、今日はおじいちゃんがいなくて残念だわといわれたことです。

よくよく聞いてみると、どうも日本語世代の初代である強おじいさんが日本のことや日本人そのものを大好きみたいで、お客さんで日本の方がくると何かと世話をやきたがるみたいなんですww

そのおじいちゃんはほぼ引退しているみたいで今は二代目のおじいちゃんがきりもりしていますがこのかたも片言の日本語がしゃべられるみたいです。

ここでも台湾人のやさしさの一端に触れることができ、またそういった土台を作ってくれた日本の先人達に感謝の念を禁じえませんでした。



こちらがそのおじいちゃん専用の場所で麺をほぐしたり何かと作業をしているみたいです。

次いったときはおじいちゃんと日本語でいろいろお話をしてみたいですね。


小料理

副菜にこちらの小皿料理を選ぶことができます。

冷蔵保存されていないためおススメはできませんが、お肉に関してはしっかりと火が通っていますから召し上がっていただいても問題ないかもしれません。

まあいずれにせよ台湾の夏場にこれらのお料理を食べるときは本当に気を付けてくださいね。


店内の様子

店内は広くなくお食事時はすぐにお客さんでいっぱいになってしまいます。

清潔感もあるとはいいがたく、気になる方はご自身でウエットティッシュ等のご準備をお願いしますね。


メニュー


注文方法はご自身での記述式になります。

注文用紙はお店は行ってすぐのところに置いてありますからそちらをとってご記入お願いします。

赤色の用紙がお持ち帰り用で、白色がイートイン用ですのでお間違いなく。

お会計は食後になります。


調味料等の置き場

お箸等のお食事の準備もセルフサービスになっています。

ほかのお客さんとの共用になっているため、ご自身のテーブルに持っていくのではなくこちらで必要な分を小皿に取っていただいてお持ちくださいね。

さあそうこうしているうちにお料理が運ばれてきましたよ。


お料理

豬耳朵

腱子肉

豚肉の耳の部分(ミミガー)と健の部分を湯がいた黒白切といわれるお料理です。

台湾では小料理として人気で今回のお店のような、お手軽な麺料理やさんに特に多いように思います。

こちらのレストランでもその例外ではなく麺をつまみながらこちらのお肉を食べるお客さんが多かったです。

さてこちらのお肉、耳はこりこりしてい新鮮さが感じられまた健の部分もお肉がジューシーで柔らかく臭みもまったくなくおいしくいただけました。

ほかにもレバーや豚足がありますのでお好きな方はお試しくださいね。


乾麺小(35元)

スープなしの麺料理です。

たしかにスープはないのですが、胡麻ソース、焦がし玉ねぎ入りラード、炸醬、塩水の四つのソースがたっぷりはいっていて混ぜ合わせて食べるとそれらが麺に絡みつき、スープ麺を食べるときと同じようにすすっていただくことができます。

(台湾では麺を音を立てながらすすって食べる行為はあまり行儀がいい行為とはみなされていません。郷に入っては郷に従えですので台湾では気持ち抑え気味で麺をすすってくださいね。)

ソースは胡麻の風味がたっていて香りがよく、後味でもしっかりと炸醬や焦がし玉ねぎの香りを楽しむことができます。

味付け全体をみてみると塩辛くなく薄味を好む台湾人向けだといえます。

そしてこの料理を語るうえで最も大事なのが麺のおいしさです。

まずこちらの麺台湾ではめずらしくしっかりとこしがあります。

おそらくカンスイを麺に練りこんでいるのでしょうがその具合が私の好みに一致していてお箸がとまりませんでした。

麺は細麺ではありますがやや平べったく、ちょうど日清のどん兵衛の麺をもう少し食べ応えがあるようにした感じです。

もちろん麺は生麺でまた粘りもあり噛むともっちりの歯ごたえも楽しむことができます。

台湾の麺はこしがなくおいしくないと日本のかたがよくいわれているのを耳にしますが、そういったかたにこそこちらの麺を食べてもらいたいですね。

個人的にこの麺は台北でも屈指のおいしさで麺好きのかたにはもっと満足していただけると思います。


湯麺小(35元)

今度はスープがたっぷり入った麺料理です。

使われている麺はさきほどの汁なし麺と同じですので省略しますね。



豚骨からとったであろうそのスープは雑味がなくほんのりとした甘さのなかにもしっかりとうまみが存在していてそれらがバランスよく成立した素晴らしい出来です。

味付けは塩のみで、最後にいれる焦がし玉ねぎの風味がより際立っています。

これはまさにメインの麺を食べるために生まれたスープといってよく、薄味もあいまって何杯でもいけそうなそんなお料理です。

日本のかたにとってはおそらく薄味だとおもいますが、こちらも先ほどと同じく是非試していただきたいお料理の一つです。


肉骨湯(35元)

豚肉のスペアリブ入りスープです。

スープの味付けは先ほどのスープ麺と同じですが、なかにはごろごろと骨付きの豚肉が入っていて食べ応えが十分にあります。

こちらは乾麺と一緒に食べられている方が多かったです。


まとめ

さて今回はおそろしくおいしい麺料理が食べられるお店をご紹介しました。

こしのある麺がすくない台湾の中では異色の存在といってよく、麺好きの日本のかたにも満足していただけると思います。

またそれを作り出す日本語世代のおじいちゃんとも日本語で会話できる機会があり、こじんまりとした台湾の一風景を体験するにはまさにうってつけのお店だといえます。

店内のポスターからも日本の職人精神を大切にしていることがうかがえ、その技や心意気を大事にしているのが伝わってきます。

立地が悪いのがすこし残念ではあるのですがわざわざ食べに行く価値は十分にあると思いますのでみなさんも是非一度お試しくださいね。



ごちそうさまでした。


老麺店お店情報

営業時間
08:00-19:30

定休日
日曜日

最寄りのMRT駅
圓山 R14
台北地下鉄路線図

アクセス
MRT圓山駅駅1番出口から徒歩13分

住所
台北市大同區迪化街二段215-8號