豆乳屋さんはここから台湾全土に広まりました。台湾朝ごはん屋さん秘話最終章。世界豆漿大王。

台湾に何度か来たことがある人はおそらく一度はお世話になっていると思われる台湾の豆乳屋さん。朝から手軽にかつしっかりとまたお安く食べられるので好きなかたも多いと思いますが、その台湾における元祖が今回ご紹介するお店です。


評価

  • 味 7点
  • 予算 80台湾ドル/人
  • サービス 普通
  • 客層 全世代
  • 化学調味料 5%
  • 豆乳 焦げ風味あり

台湾豆乳屋さんの始まりの地「永和」


さて今回で台湾の豆乳のお店の始まりについてのレポートも三回目になりますが、これで最後になります。

以前の記事でもいいましたが、これらを説明するためには時系列を三つにわけて説明したほうがわかりやすいのでそうしますね。

  1. 外省人によりもたらされた食文化 台湾における豆乳レストランの黎明期
  2. 1950年代の台湾における豆乳レストランの興隆期
  3. 1960年以降の台湾における豆乳レストランの最盛期

これがその時系列になりますが、今回とりあげた世界豆漿大王は台湾における豆乳レストランの黎明期にあたります。


豆乳は中国からもたらされた食文化

繰り返しになりますが、台湾にはもともと朝ごはんとして豆乳を食べる文化はなく、1945年以前の彼らの朝ごはんの定番は稀飯(水気が多いお粥)や米漿(ライスミルク)でした。

戦後になると大陸から外省人が台湾に渡ってきて、それぞれが台湾各地に移り住み生活共同体を形成します。

(それが以前に説明したことがある「眷村」と呼ばれるものです。)

その眷村の一つが永和にもあり彼らは豆乳をつくりまた焼餅を作り商売を始めます。

ではなぜ台湾中にたくさんある眷村のなかでここ永和だけがここまで有名になっていったのでしょうか。

1949年上海の上海豆漿公司が台北に支店を置き、台北市の廈門街に豆乳の工場を作りました。

その廈門街というのが永和から川を挟んで一つのところにあるのです。

工場でつくられた豆乳は川を挟んだ永和にもたらされ、ここに一大豆乳レストランができる基礎ができたというわけです。

これ以降の話は以前ご紹介したレポートに続くのですが、いずれにせよ豆乳は爆発的に台湾で流行して今に続くというわけです。



これが台湾における豆乳レストランの全てです。

きっかけはなぜ台北だけでも同じ名前の豆乳屋さんが多いのかという個人的な疑問から始まったレポートですが、調べていくうちに知らないことが多くて驚きとともにたくさんのことを学べました。

長文になりましたし、人によっては読む気がおきなくなるかもしれませんので最後に台湾における豆乳レストランのことをまとめます。


  • 永和豆漿という店の名前は台北でよく見るがそれぞれが別のお店でチェーン店ではない。
  • 四海豆漿は師が同じのいわゆる暖簾分けの可能性がある。
  • 永和にある世界豆漿大王から全てが始まった。(以前は同じ地区に7つぐらいお店があったが残ったのはここだけ)

おかわり台湾飯。台湾における豆乳のことを調べてみよう。


どんなレストラン?

お店の外観

2019年の11月にリニューアル工事を終え営業再開した台湾豆乳レストランの元祖のお店。

私も久しぶりにこちらに来たのですが、そのあまりのかわりぶりに驚きました。

綺麗であることはもちろんいいのですが、台湾特有のあの汚さで食べる朝ごはんというのも好きだったので複雑な気分です。

ただ台湾飯として皆様におススメする以上やっぱりお店は清潔で綺麗なほうがいいと思いますねww

最寄の駅は台北市のとなりの新北市にある地下鉄頂溪駅です。

台北市とは川を挟んですぐのところにありますし、台北駅からたった4駅ですので今回も便宜上台北のレストランとして扱います。



入り口もこんなんになりましたww

以前のここを知っている方はあまりのおしゃれさに驚くでしょうw



入り口横にはしっかりと台湾における豆乳レストランの元祖ということが説明されています。



お店の外にお持ち帰り専用のレジカウンターがあります。

お持ち帰りのかたはこちらからどうぞ。


店内の様子

綺麗です。。



こんなの私のしっているお店ではないww


メニュー

メニュー

注文方法は記述式になります。

店内のレジ横には写真つき日本語メニューもありますから参考にしてください。

お会計は先払いになります。


調味料、食器置き場

調味料や小皿お箸などはセルフでご準備ください。


お料理

廣式蘿蔔糕加蛋(55元)

大根餅を薄焼きタマゴでまいたもの。

大根餅の焼き具合はすこし足りませんが、あっさりとした味付けで油もあまり使わず焼いているため朝でも食べやすいです。

場所によっては粉っぽいにおいがする大根餅ですが、こちらのものはまったくそれがなく焼き加減以外はおいしいと思いました。


焼餅加蛋(35元)

中華式パンにタマゴをはさんだお料理。

パリパリさくさくで食感がいいです。

生地はもう少し厚めのほうがこのみですが、食感、味、焼き上がりと完璧に近い仕上がりです。

生地にバターやマーガリンが入っていないのも個人的に高評価ですね。


小籠包(100元)

個人的に朝ごはん屋さんのなかではダントツにおいしいと思う小籠包。

皮は少し厚めで中のスープも少なめですが、味付けは専門店のそれに近く、また脂っこさはあるものの、薄味で食べやすいのが特徴的です。

ただあくまで他の朝ごはん屋さんのと比べてのことで、専門店のものと比べると当たり前ですがレベルは落ちます。


熱豆漿(30元)

こちらが台湾全土の元祖になった豆乳です。

今回はホットのものを注文しました。

味は少し焦げ風味があるため個人的には評価はさがりますが、それでも大豆の濃厚な香りとうまみは十分でおいしい豆乳だといえます。

この豆乳の焦げ風味については以前からいっていますが、個人的な好みの問題で評価はさがりますが、実は良質な大豆をたくさん使うと出てくる匂いでこっちのほうが品質はいい可能性があるみたいです。


鹹豆漿(30元)

みなさんご存知、塩味でたべる豆乳スープ。

豆乳に小エビなどの具を入れてうまみを出し、お酢をいれることによって豆乳をおぼろ状にして食べるお料理です。

中の具には、揚げパン、葱、小エビがはいっています。



お酢が弱いため、朧具合はかなり弱く、飲むように食べられます。

揚げパンは豆乳に浸っているためさくさく感はなくなってます。

味付けは薄味ですが、うまみがしっかりとでていて飲んでいても飽きがこない絶妙な味付けですね。

ここのお店のご飯は全部にいえることですが、全体的に薄味で構成されていてさすが朝ごはんを食べることを想定して作られていると感じました。

(実際は24時間営業です)


まとめ

全三回にわたって解説してきた台湾における豆乳レストランの変遷。

食べ物にも歴史があり、それをつむぐことによって一つの文化として昇華していることに感動を覚えます。

私も含めて好きな方が多い食べ物ですから余計にそう感じるのかもしれませんね。

台湾にきたら朝ごはんとして豆乳レストランでお食事することはマストですので、まだ食べたことがないかたがいらっしゃれば是非食べてみてくださいね。



ごちそうさまでした。


世界豆漿大王お店情報

営業時間
24時間

定休日
無休

最寄のMRT駅
頂溪 O04
台北地下鉄路線図

アクセス
MRT頂溪駅1番出口から徒歩5分 

住所
新北市永和區永和路二段284號