四海豆漿大王

台北で豆乳の朝ごはんを食べるならマストの人気老舗レストラン。毎朝地元のかたでいっぱいになるこちらのお店で少し遅めの朝ごはんをしてみてはいかがですか?

朝ごはん屋さん天国台湾の中でも安定して人気の有る豆乳をつかったお料理が絶品のレストラン。台湾にこられたら街の朝ご飯やさんで食べずに帰国するのはもったいないですよ。また永和豆漿大王につづいて四海豆漿大王の名前の由来もきっちりとリポートしますので今回も台湾飯をお楽しみください。


評価

  • 味 7点
  • 予算 70台湾ドル/人
  • サービス 普通
  • 客層 現役世代
  • 化学調味料 5%
  • 豆乳 焦げ風味なし

台湾に四海豆漿大王という名前のお店が多いわけ

台湾全土には、以前ご紹介した永和豆漿大王に続いて、四海豆漿大王もしくは四海豆漿という名前のお店がたくさんあります。

今回も結論から言うとこれらは師を同じくしたわかりやすく言うと暖簾わけされた弟子たちである可能性が高いということです。(あとで詳しく解説しますが実際は暖簾わけされていません)

しかしながら彼らはそれぞれが独立していて、フランチャイズやチェーン店ともまったく違った個人経営のお店です。

では四海豆漿大王はどのように始まったかをこれから詳しく解説します。


おかわり台湾飯。地元のかたもその美味しさに太鼓判を押す台北の人気老舗朝ご飯屋さん永和豆漿大王。


四海豆漿大王の始まり

前回のおさらいになりますがこれらを説明するためにまず時代背景を時系列に沿っててわかりやすく説明いたします。

  1. 外省人によりもたらされた食文化 台湾における豆乳レストランの黎明期
  2. 1950年代の台湾における豆乳レストランの興隆期
  3. 1960年以降の台湾における豆乳レストランの最盛期

 今回とりあげた四海豆漿大王は時代背景としては1960年代の最盛期にあたります。


外省人によってもたらされた食文化である豆乳は1960年に入ると知名度人気ともに全国区になり台湾の文化の一部として組み込まれていきました。

これは眷村文化の台湾化といってよく、台湾における豆乳の移行期なのです。

そうなると当然のようにこの豆乳朝ごはん屋さんといものに興味を持ち外省人たちに教えを請う者たちが現れます。

そのうちの一人が苗栗に住む客家人邱豐彩という人物でした。

彼は1961年軍を退役したあと、永和のお店で豆乳の作り方を学び後に四海豆漿店という名前のお店を開きました。

彼がなぜお店の名前を四海豆漿にしたかはまた別のお店(世界豆漿大王)のときに詳しく解説します。

ともあれ、彼のお店は大成功を収め最盛期には永和地区に9店舗も持つほどになり、それと同時に子弟の教育に努めその数も合計6,7百人ぐらいいたと彼自身が述べています。


暖簾分けされた店名

こうして彼から豆乳作りを学んだ弟子たちは、所謂孫弟子といえる人たちで彼らは好んで店名に四海という字をつけたのです。

彼がそれを弟子たちに強要したのではなく弟子たちの自発的な行動だったのでこれを暖簾分けといっていいかはわかりませんが、屋号の商標権としての概念があまりなかった当時としては同じ名前のお店がたくさんあっても今みたいに違和感がなかったのかもしれませんね。

いずれにせよ、台湾で歴史のある四海豆漿という名前のレストランは彼の弟子もしくはその親族である可能性が高いということです。


台湾における豆乳の文化は長くはないものの、それらはしっかりと受け継がれていていまでは台湾の定番の朝ごはんとなっただけでなく、我々外国人にも好まれている食事になっています。

今回ご紹介する朝ご飯のレストランが彼の弟子かどうかの確認はしていませんが、お店は創業30年ですので、おそらくそうだと思います。

さて台湾における豆乳朝ごはん屋さんの名前の不思議を永和豆漿大王につづいて二つ説明しましたが、次の世界豆漿大王が最後になります。

調べていくうちにびっくりするような事実に出会い個人的には楽しく記事にさせていただきました。

私の記事を読んでいただいて、皆さんの台湾への理解が深まりより好きになっていただいたら幸いです。


さて脱線が長くなりましたが次からこの歴史が有る豆乳の朝ごはんレストランの食レポを始めます。


どんなレストラン?


お店の外観

地下鉄中山駅から徒歩圏内にあるため観光客が来やすい立地です。

朝のラッシュアワーさえ外せは、具体的にいうと朝の10時ぐらいにいけば待たずに食べることができます。

また並んでいてもお持ち帰りの人がほとんどなので中で食べる人は意外とすんなり席につけたりします。



店内の様子

お店の清潔感は正直あまりありません。

テーブルに備え付けられた調味料は油でべたべたですし、潔癖症のかたは気をつけてください。



メニュー

注文はレジ横の注文表をとっていただいて記入します。

写真つきの日本語のメニューもありますから指差しをすれば問題ないと思います。

地元のかたは店に入る時大きな声で歩きながら注文して席に座っています。



店の奥では若い職人さんが、そして店先では年季の入った職人さんがせっせと生地を練ったり成型をしています。

おそらくこの店先の年配の職人さんが、先ほど解説した人の弟子だと思いますがこちらに食べにきたときは私にその知識がなかったので確認はしていません。

今後もし機会があれば彼らのお話を聞きたいと思っています。



中華式パンや蒸しパンはご自身で見て買えます。

メニューの写真だけではわからないところも直接見れば大丈夫ですよね。


朝ごはん


小籠包(35元)

4個入りがあるのがうれしいですね。

ただこちらの小籠包はお汁も少ないですし、皮の厚さが不均一で少しべちょべちょしています。

台湾にはおいしい小籠包さんが多いのでわざわざこちらで食べなくてもいいと思います。



燒餅夾蛋(27元)

薄く焼いた卵を焼餅(中華式パン)ではさんだ定番料理。

こちらの焼餅は冷めてもパリパリ感としっとり感をともに維持しているすばらしい焼餅でした。

これなら作りたてはかなりおいしいと容易に想像できます。



冰豆漿(18元)

冷たい豆乳。

大豆の香りがすこし薄く感じましたが十分おいしい豆乳です。

焦げ風味はまったくありませんでした。



鹹豆漿(30元)

非常にあっさりと味つけされた豆乳。

朧具合も強くなく、口がパサつきがちな朝に食べるお料理としては相当食べやすいと思います。

中の具の切り干し大根も小さめに切られていて食感にすばらしいアクセントをつけてくれています。

全体的な評価としては、このお料理はお客さんに具を食べさせるのが目的ではなくすこし固体化した豆乳をお客さんに食べさせるために研究し尽くされた感じがします。

個人的には今のところ台北で一番好きな鹹豆漿です。


まとめ

台湾の朝ごはん屋さんは安くておいしいを見事に両立しています。

その中でも今回のお店は老舗の風格を随所に感じさせ深い味わいになっていると思います。

永い間台北の人々をひきつけてやまないその妖しさにも似た魅力は、今後もずっと続いていくのでしょう。

人に歴史があるようにお店にも歴史があるのだとあらためて感じた今回の台湾飯でした。



ごちそうさまでした。


四海豆漿大王お店情報

営業時間
06:00-22:00

定休日
無休

最寄のMRT駅
中山 G14 R11
台北地下鉄路線図

アクセス
MRT中山駅1番出口から徒歩4分
中山地下街R4出口から徒歩1分

住所
台北市大同區長安西路29號