個人的に熱炒の最高峰に位置する今回のレストラン。早い、安い、でも味は普通、が当たり前の台湾式居酒屋の中でここのレストランは別次元にあるといっても過言ではありません。台湾でおいしいご飯を食べながら思いっきりお酒を飲みたい人にとってはまさに天国のようなレストランですよ。
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評価
- 味 8点
- 予算 350台湾ドル/人
- サービス 普通
- 客層 現役世代
- 化学調味料 10%
どんなレストラン?
お店の名前に海産とあることから海鮮料理のレストランと思いましたがじつはそれ以外のお料理が人気の珍しいレストランです。
もちろん海鮮もありますが、皆さん注文しているものは海鮮以外が多いです。
お店の外観はごく普通の台湾式居酒屋のそれで綺麗とはいえません。
いちおうベビーチェアはおいてありますが、やはりお酒を飲むところなので小さなお子様連れのかたに最適とはいえません。
まあでも台湾人は気にせず子供連れで来ていますけどねw
熱炒について
上の写真は映画「深夜海產店」のワンシーンですが、台湾式居酒屋とはこんなところだということを視覚的にわかりやすく説明している写真だったのでお借りしました。
まず熱炒とは書いて字のごとく中華鍋をつかってお料理することを表し、お酒のあてとしてさっと簡単に早く作ることができる料理全般を指す言葉です。
それが転じていまはそのお料理を出すお店、つまり台湾式居酒屋を指すようになりました。
熱炒最大の特徴はまずお値段です。
探したら高級なところもあるかもしれませんが、基本熱炒は圧倒的に安い庶民的なお店が多いです。
仕事帰りさっと食べて飲んでかえることができるお店という感じで、日本でいえばやはり居酒屋なんでしょうね。
ただ個人的には日本の居酒屋はお値段的にも安くないところもあるので居酒屋というより立ち飲み屋といったほうがしっくりきます。
また台湾にはたくさんの中華式、台湾式のレストランがありだいたいどのお店もお酒を置いていますが、レストランでお食事をしながらお酒を飲む人の割合は少ない一方、熱炒に来た人の中でお酒を飲む人の割合は多いです。
普通のレストランではお酒よりお食事がメインで、熱炒ではお酒がメインと住み分けができています。
(熱炒は最近できた文化で、もしかしたらお食事をしながらお酒を飲むという行為は欧米化の一つであり、アジア圏では消化に悪いという漢方学の原則的な観点から禁忌とされていたのかもしれませんね)
そしてもう一つ熱炒で忘れてはいけないのが、酒促小姐です。
これは台湾独特の文化で日本でいえば野球場のビールの売り子さんがそれに近い感じかもしれません。。
ただ最初の写真を見ていただいたらわかるとおり台湾のほうが少しエロイです。
まあこれは熱炒にくるのは男の人が圧倒的に多いからそうなっただけの話ですが、女性が強い台湾ではこれからの展開によってはブーメランパンツをはいた筋肉むきむきの男性がお酒を売りに来る日も近いかもしれませんよw
なんせ台湾人は徴兵制がありますから筋肉隆々の男性も少なくありません。
余談ですが、世界的にみてジャニーズ系のかわいい男性が流行る国は日本しかないみたいですね。
ブーメランパンツのくだりのところでふと思いついただけで深い意味はありませんのであしからずw
広さはありませんが改装していますので清潔感はあります。
ただいすやテーブルは昔のものを使っているためプラスチック製のぼろいものが多いです。
テーブル周りも普通です。
各テーブルに熱炒らしく栓抜きがあるのが特徴的です。
台湾のこういったお店ではお酒やジュースは基本的にセルフサービスになっていて冷蔵庫からお客さんがかってにもってくるのが普通です。
そしてお会計の方法は最後に店員さんがテーブルをチェックしに来たときにします。
これが先ほど説明したセルフでもっていく飲み物が入った冷蔵庫です。
どのタイミングでお飲み物をもっていってもらってもかまいません。
こちらのお店はなぞのタイガービール推しですが普通に台湾ビールもあります。
お店の一角におかれた海鮮コーナー。
海鮮料理屋さんではお客さんが実際に見て選ぶことができるようこのような形を取っているお店がおおいです。
ただこちらのお店は先ほどもいいましたが店名には海産とありますが実際は他がメインのお店ですので海鮮の種類も少ないです。
メニュー
注文方法は口頭のみになっています。
お飲み物系は最後店員さんがチェックしますので最初に注文する必要はありません。
写真一枚目の左のページはこの店の人気料理の種類別ランキングになっていますので迷ったらこちらから選んでもいいかもしれません。
お会計はお食事後になりますのでよろしくお願いします。
お料理
豚肉の細切り炒飯。
二人前ですが熱炒らしくお値段が非常に安いです。
醤油でしっかりと味と色がついた炒飯で、塩のみの炒飯が好きな私の好みからは外れていますが非常においしいです。
熱炒で食べる炒飯は火のとおりが甘くご飯もだまになっているお店も少なくないですがこちらの炒飯はしっかりとぱらぱらに炒められていて、油の量もそこまで多くなくあっさりと食べられるようになっています。
この値段でこのレベルはなかなかないんではないでしょうか。
最初にきたお料理でしたがもうこれだけでこちらの熱炒のレベルの高さがわかるほどです。
アサリに似た二枚貝の炒め物。
台湾では蛤蜊(はまぐりに似た二枚貝)も有名ですがこの海瓜子も人気があります。
(これらはいつかおまかせ台湾飯でご紹介するときが来るかもしれません)
貝は新鮮で臭みもまったくなく醤油ベースの甘辛いあっさりとした味付けで何個でもいける感じです。
香りつけの生姜とニンニクが台湾風だといえますが、日本のかたにも問題なく食べられる味付けだと思います。
薄切りした苦瓜とタマゴの塩漬けを一緒に炒めたお料理。
あっさりしていますが、味付けはしっかりとつけられていて、苦瓜の苦味も塩漬けタマゴの黄身から出る濃厚なうまみがアクセントになって軽減していて食べやすくなっています。
塩漬けタマゴと苦瓜の量のバランスもちょうどよくこちらもおいしくいただけました。
豚のほほ肉とにらを炒めた熱炒らしいお料理。
松坂豬ってなんやねんと読者のかたからの声が聞こえた気がしますが今回は脱線が多いのでまた違うところで説明しますね。
さてこちらの炒め物まず驚いたのが韮の甘さです。
韮ってどちらかといえばどくとくのにおいがあって少し苦いイメージがありましたがこちらの韮はそれが全然なくむしろ甘さを感じました。
豚肉も下ごしらえにしっかりと揚げられていてこれは熱炒の仕事ではありません。
その揚げられたお肉もむっちりとしていて食べ応えがあるだけではなく新鮮そのもので雑味などまったくありません。
味付けはしょうゆベースの当たり障りのないものになっていますが、これは今回たのんだお料理のなかで一番好きなお料理です。
ご存知台湾名物臭豆腐。
こちらは蒸してあるのであげたものより臭みが強いです。
ただ辛味で味付けられているためくささもそこまで強く感じません。
こちらはお店一番の人気料理ですが、これに関してはやはり南機場夜市の私に臭豆腐のおいしさに目覚めさせてくれたお店のものと比べるとすこし落ちるというのが正直な感想です。
おかわり台湾飯。ここの臭い豆腐がだめならもう台湾では臭豆腐は無理でしょう。私に臭豆腐のおいしさを教えてくれた迷惑なお店。
まとめ
いままで熱炒のレストランもたくさんいってきましたが、今回のお店はその中でも間違いなくトップレベルにおいしいお店だといえます。
注文したお料理全てがおいしい大衆レストランは台湾ひろしといえどもなかなか出会えるものではありません。
お酒好きで台湾の大衆レストランでも問題なく過ごせる人にとっては天国のようなレストランだと断定できます。
今回私たち夫婦は食事だけでしたが、食事だけでもぜんぜん問題ありませんので皆様も是非おこしくださいね。
ごちそうさまでした。
小林海産お店情報
営業時間 17:00-1:00 定休日 日曜日 最寄のMRT駅 信義安和 R04 台北地下鉄路線図 アクセス MRT信義安和駅5番出口から徒歩7分 住所 台北市大安區光復南路574-1號