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台湾飯一押しの夜市、南機場夜市の中にあるすぐ売り切れになる肉圓のお店。人気があるお店がひしめく夜市の中でもトップレベルに人気があり、待つのが嫌いな方にはおすすめできません。
個人的に南機場夜市で次にミシュランビブグルマンをとるのはこのお店ではないかとひそかに思っているお店。こちらの肉圓を求めて台湾から多くの人が訪れます。30分待ちになることもあり、閉店前に売り切れになることもある、超人気店を今回はご紹介いたします。
評価
- 味 8点
- 予算 50台湾ドル/人
- サービス 普通
- 客層 全世代
肉圓とは
日本語表記すると、中国語読みではロウエン、台湾語読みではバーワンといいます。
まず最初に肉圓は完全なる台湾料理です。
その歴史は意外と古く、約120年前まで遡ります。
1898年台湾中部の都市彰化県で洪水の災害がおこりました。
この災害は規模が大きく、その当時そこには2個の村落がありましたが、20個が水害によって消滅したほどです。
水が引いた後も住民の苦労はおわらず、ほどなくして食料の問題に直面します。
その住民たちの苦労をみて立ち上がったのが、その当時北斗地区の寺廟で働いていた范萬居さんでした。
彼は水害の跡地でその時手元に残っていたサツマイモ澱粉を蒸し、成型して被災地の人々に配りました。
これが肉圓の始まりだといわれています。
そして彰化ではじまった肉圓はまたたくまに台湾全土に広がり、今では地方地方で独自に進化しそれぞれに特徴がある料理になっています。
各地方の肉圓
肉圓の種類は、彰化肉圓、臺中肉圓、南投肉圓、臺南肉圓、高雄肉圓、屏東肉圓、紅糟肉圓など場所場所で独自の進化を遂げたものがたくさんありますが、大きく分けたら二種類になります。
それは彰化を基準に北か南かです。
北部肉圓の特徴は、餡を包んで成型し蒸したあと低温の油で揚げます。
この揚げるという言葉が誤解を招くのですが、油の温度は本当に低温ですので周りの皮に少し歯ごたえを残すだけで、一般的な揚げ物とはまったく違います。
ここは個人の予想になるのですが、この低温の油で揚げるという行為はおそらく歯ごたえに変化をつけることと、高温多湿の台湾で油の中でお料理を保存できるという二つの側面があるのだと思います。
南部肉圓の特徴は、餡をつつんだあと蒸したら出来上がりです。
北部と違って、モチモチの食感を楽しむことができ、なによりも油を使わないためあっさりといただくことができます。
肉圓の作り方
まず皮の材料は、サツマイモ粉、片栗粉、あるいば米粉、タピオカ粉等の澱粉質状のものを使います。
中の餡は基本豚肉をベースに醤油であじつけして甘辛い下味をつけておきます。
先ほどの粉に水を混ぜて、こねて成型できる状態にしたら中に餡をいれて蒸しあげます。
南部はこれで終わりですが、北部では蒸し器から取り出したものを食べる前に低温の油で揚げます。
これが今回台湾飯で初めて取り上げる肉圓というお料理の全貌です。
ここからいつもの食レポにもどりますね。
どんなお店?
一応すわるところがありますので、店舗として扱います。
働いている方は、二代目のご主人とその奥さんだけですので、この二人はいつも忙しそうに動いています。
列に並び、注文した後に席を探すシステムです。
もちろん注文は口頭のみとなっています。
一応あるといった感じです。
お手拭さえもありませんので、ウェットティッシュの準備をお願いしますね。
肉圓のところで説明した低温の油で揚げている様子。
結論から言うと、こちらのお店の油の温度は気持ち高めに設定されています。
そのため食感もより歯ごたえが残ったものになっていました。
肉圓の食レポ
モチモチの皮に味付けされた豚肉の餡が入っているお料理。
こちらのお店の餡には豚肉とたっぷりの筍が使われています。
しっかりとお醤油で下味がつけられたお肉は新鮮で噛むとたっぷりの肉汁があふれ出します。
また千切りされた筍はしゃきしゃきの歯ごたえをしっかりと残していて、食感にいいアクセントを与えてくれます。
皮は低温より高めの温度で揚げられているため、意外としっかりとした歯ごたえをのこしています。
最初噛んだ瞬間はいつものもちっを想像していた私の感覚をいい意味で裏切ってくれました。
どうせせっかく油で揚げるのだったら私にはこれぐらいの食感の方が好きです。
タレも甘辛い味付けで日本のかたにも食べやすい味付けになっています。
ただパクチーがけっこうありますので嫌いな方は、ノーパクチー宣言をお願いします。
ちなみに私は台湾に来て9年目ですが、この肉圓は食べることができない台湾料理の一つでした。
ただこちらの肉圓をいただいたあとは肉圓の美味しさに目覚め、台湾飯の記事のためということもありますが、今では美味しいと評判のお店には積極的にいくようになりました。
これからは肉圓を扱った記事もちょくちょく出てくるとおもいますので、肉圓好きのかたは楽しみにしておいてくださいね。
思い返すと最初に肉圓を食べたのが私が台湾に来て間もないときに行った、士林夜市の中のお店でした。
そこで食べた肉圓の皮になんともいえない臭みを感じて大嫌いな食べ物になりました。
やはり初めて食べるものは、最初に口にしたもののレベルによって好き嫌いの路が分かれるのはしょうがないことですよね。
皆様には台湾フードにいい印象をもって帰っていただきたいので、これからも台湾飯では主観的要素は強いですがおいしいお店をどんどん紹介していきますね。
まとめ
台湾人の昔懐かしいふるさとの味肉圓。
ルーローファンと比べると食べる頻度はすくないと感じますが、それでも皆様の心の片隅に必ずあるのが肉圓という食べ物です。
今回は、南機場夜市の超人気店をご紹介しましたが、人気店がゆえに営業時間を残して売り切れになることがよくあると聞いています。
肉圓だけを目当てに行く場合は正直オススメしにくいですが、南機場夜市にはお昼にも開いている美味しいお店がいくつかありますので、もし売り切れたらそっちでもいいやという気持ちでこちらに来ていただくことをオススメします。
もし運よく肉圓にありつけましたら心行くまでご堪能ください。
ごちそうさまでした。
南機場彰化肉圓お店情報
営業時間 13:30-15:30 定休日 無休 最寄のMRT駅 龍山寺 BL10 台北地下鉄路線図 アクセス MRT龍山寺駅2番出口から徒歩20分 住所 台北市中正區中華路二段313巷36號