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お出かけ台湾飯、第四段。事業主に絶大なる支持を受ける板橋慈惠宮。廟にお参りしたあとは、地元の人でごった返す市場内の超人気店でスルメスープを飲みましょう。
台北市内にもたくさんの廟がありますが、事業をしている人ならこちらの廟は絶対にお参りしたほうがいい理由があるのです。今回はその理由をあきらかにしつつ板橋慈惠宮のご案内と、スルメスープのご紹介をします。
評価
- 味 6点
- 予算 55台湾ドル/人
- サービス 悪い
- 客層 ご年配
板橋慈惠宮
こちらの廟は1873年台湾五大家族(財閥)の一つである林家の一人林國芳の召集によって集められた人々によって建設の計画がたてられ、一年後に完成しました。
(この林家が建設した台湾に残る最も保存状態がいい庭園「林本源園邸」もいずれお出かけ台湾飯でご紹介するときがくるかもしれません。)
地元の人々に愛され、いまでも時間を問わずたくさんの参拝客であふれています。
場所も地下鉄府中駅から徒歩圏内に位置しているため、台北市内からも来やすいのがいいですね。
府中は台北市の隣の市である新北市にありますが、台北駅から地下鉄で六番目の駅といえばその近さがわかってくれると思います。
本殿一階に祭られているのは主神、天上聖母(板橋媽)です。
台湾では海の守り神である女性神媽祖を熱心に信仰している人々が多いです。
海に囲まれた島だからこそ、海を守る神様への信仰が深いのもうなづけます。
繡宮燈を購入すれば、廟のほうで一年間設置していただけるお守りみたいなもの。
台湾では旧正月にみなさんこぞってこちらを購入して、それぞれご家族の名前を書き込んで一年の安泰を願います。
他にも光明燈というのがありこちらは廟によって形式はちがいますが、こちらも購入するとランプが廟のなかで一年間ともされ続け購入者の安泰を祈願していただけます。
さて廟の簡単な説明も終えましたので、今度はなぜこちらの廟が台湾全土でとくに事業主に人気があるのかの説明をします。
それはずばりこちらの廟が、お金持ちとのかかわりが深いことに起因します。
創設時は、当時台湾で一番のお金持ちだった林家の協力によって建立されたことはもうすでに説明しましたが、最近またこちらの廟の名前が台湾中に鳴り響いた理由として、あのシャープを買収した鴻海精密工業の創業者「郭台銘」が幼少期こちらの廟に通っていたことがニュースになったからです。
彼は幼少期板橋区に9年住んでいて、毎年のお参りはもちろんのこと、廟にいた地理師(風水師)の指導の下寝る位置も決めていました。
そして廟の拡張にあわせてその時まで祀っていなかったお金の神様「五路財神」を祀った同時期に、郭台銘の会社も事業拡大しそしてそのまま彼は成功をおさめついには台湾で一番のお金持ちになったという事象がニュースで報道されました。
つまり150年前の台湾の富豪によって建立された廟が、今台湾一の富豪を生み出したというわけです。
事実今回彼は国民党代表戦に出馬したときも、当選祈願にこちらの廟に訪れています。
結局当選はできませんでしたが、このニュースの話題性はそうとう高かったです。
今では全国から台湾人が彼にあやかりたいと集まってくるようになりました。
ですので、台湾飯の読者様の中に今回の内容が気になる方がいらっしゃいましたら是非こちらの廟に足を運んでみてください。
食レポ
さて、廟を散策したあとはお腹がすいてきましたよね。
今回はご飯というより、屋台で気軽に食べられるスルメスープを販売しているお店をご紹介します。
どんなお店?
廟から伝統市場の中をあるいてすぐに位置するお店。
半屋台形式のお店で、清潔感は正直ありません。
お店の中に入る前に口頭で注文して席を探します。
並んでいる人が多いですが、ほとんどお持ち帰りようの人です。
中で食べる場合は並ぶ必要はありませんので直接中に入って席を探してください。
スルメイカのとろみスープ。
具にはスルメイカ、キャベツがたっぷり入っています。
一口食べてみるとその味わいに正直戸惑いました。
というのも、甘みと酸味がこれまでに食べたことがないレベルで強かったからです。
甘みと酸味なら酢豚がそれに近いと思われますが、この料理にはそのあと海鮮から出るうまみと最後に辛味が来ます。
半屋台飯ではありますが、ここまで複雑な味付けはさすがB級グルメ天国台湾だからこそできるのかもしれませんね。
中のスルメイカもこりこりで新鮮そのもの、またキャベツのシャキシャキ感がアクセントになっていい脇役を演じています。
個人的には酸味と甘みの組み合わせが口に合わなかったのですが、周りをみていると美味しそうに食べている人ばかりですので、酸味と甘みの組み合わせが大丈夫な人にはガチはまりの料理なのでしょう。
おかわり台湾飯。イカの分類を詳しく解説した記事。スルメイカもおいしくいただけます。
揚げた大根餅。
大根餅は普通はフライパンで揚げ焼きにするのですが、こちらでは油で揚げています。
そのため食感はさくさくとしていて、また揚げても形が崩れないようにもともとの大根餅が分厚いので、普通のやつに比べて見た目からすごく大きいです。
味付けは揚げニンニクがたっぷりはいったチリソース風のタレでいただきます。
さくさくもっちりでこれはこれでありと思いました。
ただ一人でたべるとおそらく食べきれないと思います。
まとめ
板橋区で格式高い廟がある地域の台所を担う市場の中にある恐ろしく人気がある屋台式のお店。
食べている間もひっきりなしにお客さんがきていました。
地下鉄の駅名で言えば府中という台湾に慣れた人ですらあまり聞き覚えのない有名ではない地区ですが、こちらにもまだまだ知られていないおいしいお店がいっぱいあります。
台湾飯としてこれからも台北市内を飛び出してお隣の新北市の食レポもたくさんする予定ですので、これからも楽しみにしていてくださいね。
ごちそうさまでした。
高記生炒魷魚お店情報
営業時間 08:00-17:30 定休日 月曜日 最寄のMRT駅 府中 BL06 台北地下鉄路線図 アクセス MRT府中駅3番出口から徒歩5分 住所 新北市板橋區宮口街28號