新企画、おすすめ台湾飯。第一回目のおすすめの商品は、魚と一緒にたべることが多い酸味のきいた縁の下の力持ち「樹子」です。

新企画おすすめ台湾飯は、台湾で比較的簡単に手に入るおすすめの商品を使って私が実際にお料理をいたします。もし気に入っていただければ、そちらを友人へのもしくはご自身へのお土産として台湾旅行のついでにお買い求めていただいてもいいと思います。簡単なレシピも載せておきますので是非ご自身のお料理のレパートリーの端にでも入れていただけたら幸いです。


台湾風サンマの煮つけ


今回私が作る料理はサンマの煮つけです。

台湾でもサンマは一般のスーパーマーケットや伝統市場で買うことができます。

お値段がお安いことから、家庭の食卓に並ぶこともすくなくないお魚の一つです。

ただ日本とは違って、台湾のご家庭で調理する方法は、煎が圧倒的に多いです。

煎とは、フライパン等の底が平らな鍋を使って少量の油を引き焦げ目がつくまで焼き付ける調理方法です。

日本では焼きサンマを食べるときは大根おろしとお醤油が必須ですが、台湾では塩と白コショウをつけて食べるのが一般的です。

個人的にはサンマはやっぱりコンロで焼くほうが圧倒的においしいと思います。


レシピ
  • サンマ 二尾
  • 昆布 一枚
  • 生姜 一切れ
  • 水 200㏄
  • 濃い口しょうゆ 大さじ2
  • 味醂 大さじ1
  • だし汁 小さじ1
  • 樹子 10粒

調理開始

まずサンマは頭と尻尾を包丁で落とします。

その後内臓を取り除き指を使って中を奇麗に処理します。

生姜は細切りにします。



昆布はしばらく水にさらしておいておきます。



コンロに火を入れ水が沸騰すると、昆布を取り除き、下処理したサンマを入れます。

その後醤油、味醂、ショウガを入れ、今回の目玉商品である「樹子」を入れます。



樹子をいれると、ふたをしてしばらく煮込みます。

(私は圧力鍋を使っていますが、普通の鍋でも問題ありません。)

10分煮込んで火を止めしばらくほっといて圧力が抜けるとふたを外し、出汁を入れて水気がすくなくなるまで煮込めば完成です。


樹子(破布子)


こちらが今回のおすすめ台湾飯の目玉商品である樹子です。

正式名称は破布子ですが通称の樹子のほうが通じやすいですね。

台北のスーパーなどで簡単に手に入ります。

種類もたくさんありメーカーによって容器は違いますが、味は基本的には同じですのでどちらのものを購入していただいても問題ありません。

お値段も50元前後とお手頃で大きさ重さともにちょうどよく持ち運びに困ることはないと思います。

樹子についてはいずれおまかせ台湾飯でご紹介する日が来るかもしれませんが、今回はスルーしますね。


成分表を見る

こちらが今回ご紹介した商品の成分表です。

台湾では食品の安全や衛生に関する責務は食品薬物管理署が担っていてこれは衛生福利部に属しています。

全体的にいえば台湾の食品安全衛生管理はおおむね機能していて安全は担保されているといえますが、小さなお子様がいらっしゃる親御さんやご年配のかたの中には気になる方もおられると思いますので、今回は台湾の食品添加物に的を絞って説明しますね。

私自身も以前から気になっていたのですが、面倒くさいのがかって調べることをしませんでしたが、今回初めて調べてみたらいろいろ面白いことがわかって有意義なものになりました。

読者のかたが今後台湾にいらしたときの手助けにもなると思いますので、どうぞご一読ください。


台湾の食品添加物を見る
成分日本語訳
L-麩酸鈉グルタミ酸ナトリウム(いわゆるうまみ調味料、アミノ酸の一つ)
胺基乙酸グリシン(アミノ酸の一つ)
DL-胺基丙酸アラニン(アミノ酸の一つ)
琥珀酸二鈉コハク酸二ナトリウム(有機酸の一つ)
5’–次黃嘌呤核苷磷酸二鈉5´-イノシン酸二ナトリウム(核酸の一つ)
5 ’–鳥嘌呤核苷磷酸二鈉5´-グアニル酸二ナトリウム(核酸の一つ)
DL-蘋果酸リンゴ酸

こちらが成分表に表示されている食品添加物ですが、私もそうでしたが皆様も見慣れない漢字が多いことからなにやら安全性の面で怖さを感じることだと思います。

ただ調べてくうちにそのからくりがわかってきました。

見慣れないとはつまり日本では商品に表示していないということなのですが、それはつまり日本ではこれらの食品添加物を使っていないのではなく表示する義務がないだけなんです。

日本の食品添加物表示の法律では、これらの食品添加物を調味料として使用したときにはグルタミン酸ナトリウムや5´-イノシン酸二ナトリウムなどの物質名ではなく、アミノ酸や核酸と表示します。

また、アミノ酸、核酸、有機酸などを2種類以上使用しているときには「調味料(アミノ酸等)」と表示すればよいことになっています。

つまり日本でも台湾と同じものを使っていますが法律上商品にすべてを表示する義務がなく皆さんの目に留まらなかっただけなんですよね。

そういう意味では台湾の食品表示に関する法律は厳格で消費者の知る権利、選ぶ権利を守っているといえますが、ただ漢字の文化ということもあって商品の成分表がかなりの文字数になってしまい見るだけで買う気を失ってしまう弊害はありますね。

皆さんも一度、台湾でカップラーメンの成分表やコンビニのお弁当の成分表を見てみてください。

そのあまりの長さに読む気も失せるとおもいますよww

さて今回は台湾でのお土産選び等でかならず直面する問題を正面から解説しました。

皆様の台湾でのお買い物の一助になれば幸いです。

それではもとにもどって、おすすめ台湾飯でつくったサンマの煮つけをご披露します。


実食

サンマの煮つけ

煮崩れすることなくうまくできました。

煮込みが少しあまく煮汁が多めに残ってしまいましたがまあいいでしょう。

樹子は甘酸っぱい味でサンマのあぶらっぽさを抑えるだけではなく、味に深みをもたらしていると感じます。

(サンマの梅煮と同じ理屈です)

サンマのお肉をつつきながら、そのあと樹子を一口いただくのもこれをおいしく食べる一つのコツかもしれませんね。

ただ樹子には大きめの種がありますので食べるときは注意してくださいね。


まとめ

新企画おすすめ台湾飯の第一回目の商品は「樹子」でした。

商品名が甘樹子だったり香樹子だったりまた正式名称である破布子であったりしますが、成分表の中に樹子と表記していれば間違いありません。

今回はサンマの煮物でつかいましたが、台湾ではたんぱくな白身魚と一緒に蒸すことが多いように思います。

野菜炒め等でワンポイントで使っていただいても全く問題なく使えますので、台湾旅行のついでにぜひ一つご購入してみてください。



お粗末様でした。