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はじめに
今回は特集の趣旨と牛肉麺の基本的なことについての解説になります。
種類や味については次回以降の特集で解説します。
実用的なものは次回以降の記事のほうになりますからこちらの記事は読み飛ばしてくださいね。
私と牛肉麺の出会い。
私が台湾に来た当初苦手な食べ物の一つが牛肉麺でした。
今思い返せば、よくあることなのですが最初何気なしに入ったお店の味が私に合わなかったせいだと思います。
私はいまでもそうなのですが、どうも漢方系の味が苦手なのです。
(棗の甘い香りが強い薬膳料理は特に苦手です)
はっきりとは覚えていないのですがおそらく最初に食べたお店の牛肉麺の味はそれに由来するものだったのでしょう。
それ以来牛肉麺はまずいものだと脳裏にインプットされてしまったのです。
ところがある日転機が訪れます。
私に合った牛肉麺を食す。
それはおいしいと評判の人気店にいったときのことでした。
当時私はお食事に牛肉麺を選ぶことはありませんでしたので、友達の誘いかなんかで内心いやいや行ったんだと思います。
注文時も一番ちいさく当たり障りのないものを選びますが、おそらく食べられないんだろうなという不安ばかりが募り正直何を頼んだかも今ではまったく覚えていません。
そうこうしているうちに料理が運ばれてきて、様式美であるスープを一口すするとあれ、ん、あれ、いける、いやまてよ、もう一度、あれ、やっぱりいける、てかこれうまいやんといった、混乱にも似た喜びが脳裏を駆け巡りました。
そのお店の名前は「劉山東牛肉麺」です。
残念ながら台湾飯ではまだご紹介していませんが、かなりおいしい牛肉麺でペロッと一杯すぐにいけちゃいました。
なんせ牛肉麺を全部食べられたのも初めてでそれもおいしさのあまり一気に食べあまつさえスープも全部飲みほしたのです。
これはすくなからず私には衝撃で、牛肉麺とはこんなおいしいものだったのかと目からうろこがこぼれたのを鮮明に記憶しています。
それ以来苦手意識がうそのようになくなり、評判のお店には気兼ねなくいけるようになりました。
かつては苦手だった漢方系牛肉麺のお店にも評判がよければチャレンジするようにさえなったんです。
牛肉麺はおいしいんです。
そんな牛肉麺ですが、私もかつてそうだったように日本の方の中には苦手意識があるかたが少なくないと感じています。
ただそういう方の中にはまだ自分に合った牛肉麺の味に出会っていないだけの可能性があるんです。
もしそうだとするなら台湾飯としては一肌脱ぐしかありません。
(余計なお世話かもしれませんがwww)
こういったミスマッチが起こる最大の理由が牛肉麺の種類の多様性にあると思います。
さきほどもいいましたが、牛肉麺の味には漢方系のものがあれば醤油系のものもあり一口に牛肉麺といってもその味は千差万別なんです。
ではどうやったらそのミスマッチをなくすことができるのでしょうか。
お口にあった牛肉麺と出会うために。
その最大の近道がお店に行く前にそのお店の味と種類を知ることだと思います。
ただ問題は牛肉麺の種類が多様化しているので今までのようにお食事のレポートを書いただけではそれが伝わりにくいことです。
そこで今回は特集として台湾で食べられる牛肉麺の種類を徹底的に解説しまたその味を分類化することによって皆さんにわかりやすく牛肉麺をしってもらうための解説記事を書くことにしました。
長くなりますので、記事を前後半にわけ前半は牛肉麺の基本的な知識や味の分類の説明をして、後半は牛肉麺の種類や味を日本のラーメンになぞらえて具体的にわかりやすく分類化します。
皆様の台湾での牛肉麺ライフのお手伝いがすこしでもできるのなら幸いです。
(余計なお世話かもしれませんがwww)
牛肉麺とは
牛肉麺の起源を知る。
まず最初に牛肉麺について少し説明します。
牛肉麺とは簡単に言えば牛の骨をつかって出汁を取り、やわらかく煮込んだ牛肉や野菜とともに麺をすする中国を代表する麺料理です。
その歴史は古く起源を探すのは容易ではありませんが、近代の牛肉麺の調理方法と比較して蘭州にある牛肉ラーメンが最もそれに近いと認められています。
蘭州とは中国の内陸部にある甘粛省蘭州市のことで、ムスリム民族である「回族」がたくさん住んでいる地域です。
彼らはムスリムなので豚肉を食べることができず、そのため牛肉を使ったおいしい料理が発達していて牛肉麺もその一つです。
ただその原型は牛肉を使う以外には決まったものがなく、本場蘭州にあるラーメン店だけでもその味は千差万別みたいでまた今なおそれは改良され進化し続けています。
また回族がつくった牛肉麺は台湾ではいわゆる清敦牛肉麺といわれるものに属していて、台湾でもっとも人気があるといっていい紅焼牛肉麺とはまた違ったものなんです。
台湾で人気の牛肉麺の秘密。
では台湾で人気のある紅焼牛肉麺とはいったいどこからきたんでしょうか。
これ実は台湾が発祥なんです。
かつて台湾南部の高雄市岡山区にあった眷村にいた四川省出身の退役軍人が地元四川の「小碗紅湯牛肉」を改良して出したのが起源だといわれています。
まあ簡単にいえばもとは大衆四川料理の一つである「小碗紅湯牛肉」に麺をいれただけなんですが、今では独自の改良がされていて紅焼牛肉麺は台湾の食べ物だという認識が本場中国でも一般化されているみたいです。
台湾における牛肉麺の種類。
さてここに今回特集として取り上げた台湾の牛肉麺についての問題点がでてきました。
今現在台湾の牛肉麺の種類についての説明は、味があっさりした「清敦牛肉麺」と味がこってりした「紅焼牛肉麺」の二つがあるという内容のものが散見されます。
もちろんこの意見には私も賛成で台湾飯でもこれまでそのように説明してきましたが、これだけでは不十分だというのも否めない事実です。
日本のラーメンでもそうですが、醤油ラーメンと一口で言っても、豚骨醤油ラーメンであったり、魚介系であったりとそれだけでも何種類かに分類され説明しなければいけないほどはっきりとした味の違いがあります。
これは台湾における牛肉麺も同じで、清敦牛肉麺のなかにも塩系であったり、薬膳系であったりと味がはっきりとわかれています。
この誤差をなくすため今回台湾飯では特集の後半になりますが、これまでご紹介してきた牛肉麺の記事を引用してそれぞれを日本のラーメンの味になぞらえてより具体的に牛肉麺の味を分類して解説しようと思います。
前半まとめ
特集記事前編は牛肉麺の歴史と台湾における牛肉麺の種類についての説明をしました。
昔からいままで台湾人に愛されてきた牛肉麺はまさに日本人にとってのラーメンとまったく同じといっていいほどです。
この台湾人が愛する牛肉麺を日本の方にも知ってほしいと思い今回の特集記事をかいています。
さて前編はこれで終了ですが、メインは中編以降にあります。
中編では牛肉麺の味を具体的に解説していきますので、牛肉麺にチャレンジしようか迷っている方は必見ですよ。