熱いと冷たいが同時に楽しめる魔法のようなかき氷、御品元冰火湯圓。

臨江街夜市の中にある人気のカキ氷のお店。冷たーいカキ氷の上にのっているのは茹で上げられたばかりの白玉団子。この一見不釣合いに思える二つの食材がそろったとき奇跡は起きるのです。ありそうでなかったあつあつの食べ物オンザかき氷を皆さんもいちど体験しにいらしてください。


評価

  • 味 7点
  • 予算 70台湾ドル/人
  • サービス 普通
  • 客層 若者

どんなお店?


お店の外観

臨江街夜市という少しローカル色が強い台北の人気観光夜市の一つの中にある超人気のかき氷のお店。

大体どの時間帯でもお客さんが並んでいる印象があります。

また2019年のミシュランビブグルマンに選ばれてからはそれはさらに顕著になっています。

もし並ばずにお食事をしたいかたは開店直後が比較的空いていますのでその時間帯をねらっておこしください。



店先には茹でられる前の湯圓が所狭しと並べられています。

湯圓とは簡単に言えば日本の白玉団子に似た食べ物で中にいろんなものを入れて一種のおやつとして食べられます。

台湾では冬至に食べられ、その時期になると台湾中のお店で湯圓が並べられさながらクリスマス前のケーキ屋みたいに大忙しになります。


また台湾のかたでも誤解していることの一つに、湯圓は元宵節(旧正月から数えて最初の満月の日で中華圏では24節季の中でもとても大事にされている祭日の一つ)にも食べられるものだという認識です。

じつはこれは間違いで、元宵節に食べられるものは元宵という別の食べ物なんです。


元宵と湯圓の違い

では元宵と湯圓の違いは何なのでしょうか。

簡単にいうと湯圓は、お餅を作ってからその中に餡を入れて丸めるのに対して、元宵は餡を作ってから竹の篩などにもち米の粉末をいれ水を少し加え揺らし、それを何度も繰り返しながら徐々に大きくしていきます。

また他の相違点としては、元宵の餡には甘いものがほとんどなのに対して、湯圓はもちろん甘いものが主流ですが、有名な客家湯圓にあるようなお肉や野菜等をいれ一つのおかずとして食べられるということも挙げられます。


おかわり台湾飯。台北でおかずとして湯圓を食べるのならここはマストですよ。


両者にはこのようなはっきりとした違いはあるのですが、今では作り手が手間の違いがあるのに味に大差がないことから元宵を作るのをいやがり、また消費者もそこに価値は求めていないため、元宵節でも普通に湯圓が食べられるようになっています。

時代とともにこういった伝統は変わっていくのはどこでも同じなんですね。

本場中国ではどうなのかはわかりませんが少なくても台湾ではこのような状況になっています。



本当にかき氷屋さんの中の光景かと目を疑うばかりです。

でもこのお店ではこれは普通の作業なんです。

その答えはあとでお料理レポのとき明らかになります。。

湯気がもうもうと立ち上がる中、店員さんは左手に今削ったばかりの氷入りの器をもって作業をしています。



こちらを見るとかき氷屋さんで間違いないですよね。。

でもこの店員さんの後ろにはもくもくの湯気ゾーンなんですよ。

本当に不思議な光景です。。



店内の様子

お客さんの収容キャパはだいたい40名というところでしょうか。

けっして広くはありませんがデザートのお店としては充分だと思います。

店内も綺麗とはいいませんが掃除がきちんとされていて清潔感はあります。


メニュー


メニュー

注文の仕方は口頭のみになっています。

言葉が不安なかたも番号がふってありますので店員さんに、番号とホット、コールドかを伝えていただけたら問題ないと思います。



そしてこちらが日本語版のメニューとデザートの食べ方指南になります。

メニューはさきほどと同じくお店の壁にかけられています。



セルフサービスの追加でかけるソースとレモン汁

お店直伝食べ方指南

  1. 湯圓は熱々のうちにお召し上がりください
  2. 氷が残ったら追加でモクセイの蜜とレモン汁をかけて食べてください
  3. 硬くなりますので湯圓にはレモン汁はかけないでください

かき氷


桂花芝麻湯圓(70元)

お料理が運ばれてくると、あつあつの湯圓オンザかき氷ー、と思わず心の中で叫んでしまいました。

湯圓はまさに茹でられたばかりでもくもくと湯気が立っています。

また氷からも冷たいものからでる水蒸気が立っていて、白い水蒸気がどちらからのものかわからなくなっています。。

これだけでびっくりなのですが、こちらのスイーツは、スイーツのお店によくあるような見た目がすばらしくおもしろい趣向が満載のいわゆる出落ち料理ではなく、味も抜群なのが素晴らしいです。



湯圓はすぐ下に氷がありますからさすがに食感の面では少し硬さがあって手放しではほめられませんが、それでももちもち感は充分に感じることができます。

中の黒ゴマで作られたソースも甘さがちょうどよく、下のかき氷のシロップの味との親和性も高いです。

ただそれ以上に個人的に感動したのは、モクセイで作られたシロップの完成度です。

かき氷は所謂ガリガリ系のものが使われていますが、そのガリガリ感とこのシロップが出会ったときにおこる化学反応はもはや芸術だといえるレベルにまで達しています。

かき氷のようなシロップが命の食べ物に、マンゴー等の果物の力を借りずに純粋にシロップの甘さだけで美味しさを引き出すのはそうとうに難しいことだと思いますが、こちらのお店はそれに成功しています。

店先でもこのシロップだけを売っていますがこれを買うかどうか本気で悩みました。

個人的にはこのお店の売りは湯圓でもなく、また見た目の奇抜さでもなくモクセイのシロップだと思います。。

皆様にも台北で是非一度食べてもらいたいかき氷の一つです。



当日冷たいものを食べるのを嫌がった妻が注文した素の湯圓。

熱い真夏だったので熱いものを食べるのも嫌がった結果常温のものを注文しました。

氷がないだけでここまで見た目が貧相になるなんて思わず笑ってしまいましたw

なんかお風呂に入れた直後のヨークシャテリアの姿に似ていませんかww

ただこういったお客さんの要望に応えてくれるお店のサービスはいいですよね。


まとめ

ここまでのレベルの高いかき氷はなかなか出会えないと思う素晴らしいお店。

このようなレベルのお店が夜市の中にあることが台北の食文化の恐ろしさなんですよね。

冬になるとお店のメイン料理は熱い湯圓になりますが、個人的にはやはりモクセイのシロップを食べていただきたいので、冬でもかき氷を注文して欲しいです。



ごちそうさまでした。


御品元冰火湯圓お店情報

営業時間
18:00-24:00

定休日
無休

最寄のMRT駅
信義安和 R04
台北地下鉄路線図

アクセス
MRT信義安和駅3番出口から徒歩7分 

住所
台北市大安區通化街39巷50弄31號