デザートでもお食事でもいける台湾伝統のお料理、米苔目。その不思議な食感は形容するのがなかなかむずかしいですが、台湾にこられた皆様には是非食べていただきたい食べものの一つです。米苔目の解説もしますので今回も台湾飯を楽しんでくださいね。
コンテンツ
評価
- 味 7点
- 予算 50台湾ドル/人
- サービス 普通
- 客層 全世代
米苔目
米苔目とはお米で作った半透明上の細長い食べ物で、一種の麺みたいなものです。
食感は独特のものがあり、お餅とはまた違った弾力性があり、噛むとぐねぐねとした食感がします。
かつて台湾の農村地区ではこの米苔目は忙しい農民たちにとっての補助食品としての役割をにない、ちょうど日本におけるおにぎりみたいなものでした。
また子供たちにとっても栄養を取れるだけではなく、冷たくして甘く食べるデザートとしても使われました。
ではなぜこの食べ物が米苔目と呼ばれるようになったのでしょうか。
その答えは上の結婚式の写真の中にあります。
米苔目は中国の広東地区で作られたお料理で、もともとは米篩目といいます。
そしてこの篩の字、日本語ではふるいと読みますが、米苔目を作るときに必ず使う調理器具だったのです。
そこからこのお料理の名前が米篩目となるのですが、このお料理が台湾に来ると台湾語でこの篩の字が台と発音が似ていたため台湾では米苔目と呼ばれるようになりました。
台湾人の結婚式での慣習の一つ
でも今回の米苔目のことを調べる過程において個人的に一番興味深かったのが最初の結婚式の写真のなかにある篩です。
篩を調べる過程で偶然発見したのですが、篩は台湾の結婚式で伝統的な儀式のときに必ず使われる道具なのです。
結婚式当日台湾では花嫁は一種の神様として扱います。
もう何をしても許されますし周りは彼女のことだけを考えて行動し、字のごとくお姫様扱いされます。
ですが信仰熱心な台湾では天に神様がいると考えられており、現世のひと時の神様つまり花嫁と天の本当の神様との衝突を避けなければいけません。
そこで花嫁が空が見える外に出る場合(これも台湾での結婚式の時行われる儀式の一つです)彼女を隠す必要があります。
その時に使われるのが篩なのです。
また儀式に篩を使う理由はもうひとつあってそれは、子宝に恵まれるようにとの願もかかっています。
これは篩の字が、子供を表す胎と発音が同じことからきています。
そしてここからがおもしろいのですが、最近日本でも普通のことになった出来ちゃった結婚の場合は事情が変わります。
もうすでに花嫁のお腹に子供がいる場合は、儀式の時に篩を使うと中の子供を追い出して新しい子供が出来るというふうに考えられ、篩は使えません。
ですが天の神様と花嫁との衝突も避けなければいけません。
そこで考えられたのが、黒い傘を使うことです。特別でもなんでもなくどこにでも売っている普通の黒い傘です。
もうこうなったら伝統もくそもないのですが、伝統も時代の流れとともにかわらなければいけないのですね。。
(それにしても傘って、もっとほかのものがあるでしょうに。。)
これが米苔目の全貌です。
相変わらず脱線だらけですみません。
個人的には大満足です。。
さて次からはその米苔目を使ったデザートのお店紹介に戻りますね。。
どんなお店?
1954年創業の現在は三代目が切り盛りする伝統の風格がただよう店構え。
日本のかたがお土産を買う場所として人気の迪化街からは実は徒歩圏内にあります。
休祝日にはたくさんの人が涼を求めてこちらに来ます。
平日はうそのように空いていますので、お時間さえ合えば平日にいらしたほうがストレスなく食べられます。
お店自体は昔の民家の倉庫を改装したような感じで、壁一面に当時の様子を画で再現しています。
リノベーションしたというより、いい意味での田舎っぽさを残した空間になっています。
清潔度はそれなりといった感じですので、気になる方はご自身でウエットティッシュ等をご準備ください。
食べたものはご自信でお店の端にあるこちらのコーナーに持ってきてください。
一番左から、食べ残し、ごみ、器とスプーン、となっています。
お茶もセルフサービスです。
私は飲んでいないので、どんなかんじかはわかりません。。
メニュー
店内で食べる場合ももって帰る場合もどちらも同じ列に並んでください。
ただしお持ちかえりの場合はレジの近くに写真のメニュー表がありますので、まずこちらを取ってから列にならんでください。
四個のトッピングから何種類かを選びます。
一つなら45元で四つ全部なら60元必要になります。
氷の量も選ぶことが出来ますので、ご自身でお決めください。
注文の仕方は口頭のみですが、日本人なら上記のお持ちかえり用のメニューをもって指差しで注文するのが一番いいような気がします。
カキ氷
トッピングに米苔目と仙草を選んでいます。
見た目は普通の昔懐かしい黒蜜のがりがりカキ氷です。
スプーンで持ち上げると白くて細いものがでてきました。
これが米苔目です。
噛むと柔らかくグニョグニョしていておもしろい食感です。
米苔目じたいに味はついていないので純粋に食感を楽しむデザートなのですが、正直な感想をいいますとあまり好きではありません。
少しならいいのですが量が多すぎます。。
それでも食べ進めることができたのはなんといっても黒糖シロップが抜群に美味しいからです。
こちらのシロップは甘さがちょうどよくかつ黒糖のうまみが濃厚にでていて食べていても飽きが来ない味付けになっています。
食べ終わると体の熱がすっかり下がり、口の中はさわやかな甘みと黒糖の濃厚な風味だけが残っています。
トッピングに米苔目と粉粿を選んでいます。
カキ氷の味は同じですので省略しますが、仙草は苦味を少し残した味つけで硬さもちょうどよく黒蜜にあっていますし、粉粿の硬さもこちらの黒蜜にあわせた感じに仕上げられています。
まとめ
創業60年以上の歴史を持つ今回の甘味どころ。
永い間台湾人の心を支え続けてきたことに敬意を表します。
日本人にとって馴染みがない米苔目ですが、台湾人にとっては本当にありがたい食材で、今でも老若男女の人が好意を持って支持している事は驚きとともに賞賛せざるを得ません。
皆さんも一度はこの台湾人の郷愁をくすぐる食材米苔目を食べてくださいね。。
ちなみに今回選んだアイキャッチ画像は今年結婚式を挙げた台湾人の女友達が実際にウエディングドレスを着て使用したものです。。
許可は得ていませんが友達だし本人が出ていないので問題ないでしょう。。
ごちそうさまでした。
呷二嘴お店情報
営業時間 09:00-17:30 定休日 月曜日 最寄のMRT駅 大橋頭 O12 台北地下鉄路線図 アクセス MRT大橋頭駅2番出口から徒歩9分 住所 台北市大同區甘州街34號1樓